開発秘話

『組込み×ディープラーニング』
徹底インタビュー

「組込み×ディープラーニング」開発秘話について、『Interface 4月号』には載せきれなかった内容を
Bee中村仁昭、岩貞智に徹底インタビュー!

『血液型判定システム』の開発に、どのくらいの人数と工数を要しましたか?

岩貞:
全体としては、Beeの技術部会(※1)メンバーに手伝ってもらって全員で7〜8人くらいかな?
役割分担は、中村さんがクラウド部分、岩貞がラズパイ部分をしました。
素材集めが大変でこれをメンバー全員で手分けしてしましたね。
動き出したのがET2016の1,2ヶ月前?くらいだったので工数としてもそれくらいです。

(※1)技術部会…
Bee社員の有志で構成された会。メンバーはベテラン社員から新入社員まで様々。
最新や流行りの技術についての情報や意見交換をはじめ、
業務とは別件で開発を行ったり、意欲的に活動している。

意外にも大変だったのはコーディングより素材集めですか?

岩貞:
そうですね。
中村さんは職人技的な忙しさがあったと言ってましたけどどうですか?w

中村:
実際に悩んだり、情報を集めたりしてたのは2週間ぐらいかなぁ。

ビルドが通らないとかエラーが出るとか、たくさん壁があったみたいですね

中村:
ビルドで悩んだんは半日ぐらいかな。

今回、デバイスとして「Raspberry Pi」を使用した理由を教えてください

中村:
組込み(IoT)って部分を出したかったので、候補はラズパイかNVIDIAのTX1ぐらいだった。
TX1はデカいし、自然とラズパイに決まった気がするなぁ。

岩貞:
組込みというテーマがあったので。
TX1はエッジ感無いですね、ubuntu普通に起動するし。

中村:
技術的な観点で言うとラズパイでDeep Learningが動くのが見てみたいってのと、
処理時間、メモリがどれほど逼迫するのか確認したいってのはあったな。

岩貞:
そうですね。
今回のポイントはラズパイ上で推論しているっていうところがポイントなんです。

実際、容量面で苦労はされていたようですが、きちんと動作していましたし、ラズパイ成功ですね

岩貞:
デモとしてはそうやね。
やっぱり実行時間とかを考えるともっと考えないといけないことは出てきそう。
血液型判定1分弱くらいかかってたので。

中村:
でも、1分の半分は顔検出やけどな。

岩貞:
あれはもう少しどうにか出来たかもしれないですね。

中村:
高速化は時間と工数があれば、やっときたかったなぁ。

画像の抽出処理も苦労されていたようですね…

岩貞:
VideoCoreを使えたらどれくらいっていうのは興味ありますね。
画像抽出は完全中村さん任せでしたね。

中村:
前処理は、まぁ苦労したねぇ。
手元のPCが画像の残骸だらけになった。

岩貞:
顔の残骸w

鼻だけ抽出とかもされたんですよね。
結果的に血液型との相関はないとのことでしたが、別の何かに生かせそうな……

中村:
もう、サムネイルが怖すぎで鼻はすぐに消したw

岩貞:
確かに鼻だけのサムネイル一覧は怖いですねw

「ディープラーニング」をテーマにした理由はなんですか?

高いスペックを求められそうなので、ラズパイでの実現はなかなかチャレンジだったのではないかと…

岩貞:
アイデア出しは技術部会メンバーを中心に行いました。
特にその時はディープラーニングとか言う縛りはなくって、1人5案程度、
自由にアイデアを出していくっていう感じで。
それをまとめてみんなで投票式で選びました。
ディープラーニングの案を出してくれたのは中村さんですね。

(実際の中村の案)
1) Wifi arduino(ESP8266)で来客slack通知
2) ラズパイでEthereumのコントラクトデモ
3) ラズパイ+Dockerデモ
4) ビジネスロジックを持ったIoTデバイス実装
5) 写真から血液型判定など軽めのDeep learningデモ

岩貞:
中村さんの案採用はみんなの投票の結果なので、みんなの思いもあると思いますけど、
僕はタイトルがキャッチャーで「え!?ホンマにできるの?できるならしてみたいな〜」っていう
心をくすぐる感じはありましたね。

「ET/IoT Technology West 2017」にも参加されるとのことですが、やってみたいテーマなどありますか?

岩貞:
ブロックチェーンはしたいですよね〜。

中村:
したいな。
ET2016の案を出してた頃より、BeeがAI推しなのでAI関連になりそうやけど。

次回の展示も、今回の血液型判定のように一般参加者の方も体験できる形だと盛り上がるかもしれませんね

岩貞:
そこもちょっと意識していた部分ではありますね。
あーいう技術展示会場ってモノがあって、ダラダラっと見ていく〜みたいな感じが多いので、
来てくれた人が楽しめるっていうのは意識してましたね。

中村:
投票もデモに良さそうって入れてくれた感じもあったしね。

岩貞:
実際、会場でもみんな楽しく体験してくれましたよ。
最終日の終わりの片付けようかなって時に、同じJASAパビリオンの企業さんが
「3日間ずっと気になってました、やらして下さい」って来てくれたのは嬉しかったですね。
…そういう時に限って(血液型の判定が)外れるんですがw

中村:
まぁ、あれは外れるよw
次はもう少しマトモな結果が出るのが良いなぁ。

岩貞:
そうですね。
そういう意味では次のET2017は同じ路線で結果が出るものにしようかと思っています。

「ET/IoT Technology West 2017」に向けて、今回のET2016で得たもので活かしたい技術や経験、反省点などがあれば教えてください。

中村:
AI技術の継承って意味では次は学習系を岩貞にやってもらいたいってのはあるかなぁ。
AIやるかは別にして。

岩貞:
はい、頑張ります。

活かしたいと言う意味では今回、ETの顔写真から血液型判定というお題で、
ディープラーニング、クラウド、ラズパイ上でのエッジコンピューティングという、
今どきの組込み/IoTで出来る事を色々と詰め込んだものをデモですが形に出来ました。
これらをBeeの仕事で活かすというのは当然なんですが、時間がない中でデモまで持ってきてBeeのしたいことを表現できた、
作成プロセスとやりきった自信はこれからも活かしたいですね。

反省点は動き出すのがちょっと遅くてバタバタしちゃったことかな〜
今度は余裕持ってしたい。
展示に使うポスターとかも、会場に送るの?どうするの?もう無理や。みたいなやり取りはありましたね。

鳥井(ポスター&フライヤー制作担当):
ポスターとフライヤーの作成の期間がなくて大変でしたね。
たしか、最初はポスターのみでフライヤーなしでーって話だったのが、
会社のパンフレットも在庫あんまりないし、古いからパンフもかねてフライヤーつくろうってなったり...
印刷会社への入稿もギリギリでしたね。
余裕、大事です!

岩貞:
デモ以外の部分でも色々と用意が時間かかるんよな〜
ETのサイトへの紹介文掲載とか。

中村:
新入社員に英訳頼んでたりしてたなw

岩貞:
あったw

鳥井:
してましたw
大学でたてのほうがこういうの得意かなとお願いしましたねw

最後に、「ET/IoT Technology West 2017」への意気込みをどうぞ!

中村:
この質問はなかなか難しいな。
何のテーマをやるにしろ楽しんでやるのが一番ってのは、やる前から思ってたし、やった後でも変わらず思ってる。

岩貞:
中村さんと被りますけど...
内容もそうですが、展示会なのでもっと来場してくれた人が、
面白いな、楽しそうな会社だなってわかってもらえるものにしたいですね。
ET2016を超える楽しいデモにしたいと思います。

回答ありがとうございます!
今回のET2016展示、楽しんでやるってテーマはとてもBeeらしいと思ったので、次回もぜひBeeを全面に出していただけたらと思います

岩貞:
お疲れ様〜ありがとう!

中村:
おつかれ〜